鉛(Pb)フリー快削アルミニウム合金「KSシリーズ」

RoHS、ELV指令に対応した精密機器、電機機器などの部品に

切粉分断性に優れた快削合金は、これまでPb-Biを添加した合金(KS21、KS62)が使用されてきましたが、欧州RoHS指令※1、ELV指令※2に代表されるように、世界的な環境問題への取り組みから、環境に配慮した合金開発が必要になり、環境問題に対応した5種類の快削合金を開発し「KSシリーズ」としてラインナップしました。

※1
RoHS指令:電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限EU指令
※2
ELV指令:使用済み自動車のリサイクルや処分に関するEU指令

特長

  • Al-CuまたはAl-Mg-Siを主成分とし、鉛含有量をRoHS指令やELV指令の規制値である0.4%未満もしくは鉛フリーとした製品を用途に合わせて選択できます。
  • 従来材のKS21、KS62とほぼ同等の切粉分断性と耐食性を有します。
  • 低融点金属を含む2000系の快削合金は高温脆弱性(120℃以上)を示すため、使用時の温度上昇を避ける必要がありますが、KS26はこの高温脆化を改善しています。6000系の快削合金は2000系ほどの急激な脆化は見られませんが、KS67、KS69は160℃以上で低下傾向を示します。
  • Sn添加の快削合金はアルコール含有液と接触した場合に溶解が確認されています。対溶解性に優れた合金としてはKS62L、KS26、KS62Lがあります。

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製品特性

合金の特性一覧

KS2シリーズ

○(優)~×(劣)
合金 添加元素 切粉分断性※1 耐食性※2 耐高温脆性 耐溶解性※3
KS2シリーズ KS21 従来材 Pb+Bi
KS21L RoHS、ELV指令規制内 Pb<0.4% Pb+Bi
KS26鉛フリー Pbフリー(Pb≦0.05%) Bi ○~△
KS28S鉛フリー Sn+Bi ○~△

KS6シリーズ

合金 添加元素 切粉分断性※1 耐食性※2 耐高温脆性 耐溶解性※35
KS6シリーズ KS62 従来材 Pb+Bi
KS67 Sn+Pb ×
KS62L RoHS、ELV指令規制内 Pb<0.4% Pb+Bi
KS69S鉛フリー Pbフリー(Pb≦0.05%) Sn+Bi ○~△
※1
切粉分断性:切削条件により切粉形状が異なります。
※2
耐食性:塩水噴霧 200hr後の最大孔食深さ
※3
耐溶解性:ブレーキ液等のアルコール含有液との接触時の溶解性

2000系快削合金の特性

合金特性と機械的性質(調質T8)

合金 添加元素 使用環境制限(耐高温脆性) 機械的性質(代表値)
TS[MPa] YS[MPa] El.[%] Hv
KS21 従来材 Pb+Bi 120℃以下 425 355 17 130
KS21L RoHS、ELV指令規制内 Pb<0.4% Pb+Bi 425 325 28 125
KS26鉛フリー Pbフリー(≦0.05%) Bi 430 340 25 125
KS28S鉛フリー   Sn+Bi 120℃以下 420 330 23 128

切粉分断性(調質T8)

従来快削合金 開発合金 一般合金
KS21(Pb+Bi) KS21L(Pb+Bi) KS26(Bi) KS28S(Sn+Bi) 2017-T4

耐高温脆性(調質T8)

(代表値)JIS Z2242に準拠

耐食性(調質T8)

塩水噴霧 200hr後の最大孔食深さ
JIS Z2371に準拠

6000系快削合金の特性

合金特性と機械的性質(調質T8)

合金 添加元素 使用環境制限 機械的性質(代表値)
TS[MPa] YS[MPa] El.[%] Hv
KS62 従来材 Pb+Bi 325 305 19 118
KS67 Sn+Pb アルコール含有液との接触を避ける 305 280 13 105
KS62L RoHS、ELV指令規制内 Pb<0.4% Pb+Bi 325 305 17 113
KS69S Pbフリー(≦0.05%) Sn+Bi アルコール含有液との接触を避ける 345 330 18 119

切粉分断性(調質T8)

横送り切削 回転数:2000rpm、切り込み:1mm、送り:0.04mm/rev、無潤滑
従来快削合金 開発合金 一般合金
KS62(Pb+Bi) KS67(Pb+Sn) KS62L(Pb+Bi) KS69S(Sn+Bi) 6061-T9

耐高温脆性(調質TB)

(代表値)JIS Z2242に準拠

耐食性(調質TB)

塩水噴霧 200hr後の最大孔食深さ
JIS Z2371に準拠

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